FIREの記事を読んでいて一番もどかしいのは、出てくるのが他人のモデルケースの数字だということです。「35歳・月10万円」と言われても、自分が何歳で終わるのかは分かりません。
このページの計算機は、その部分だけを解決するために作りました。5つの数字を入れるだけで、自分の必要資産額・達成年齢・資産の伸び方が出ます。入力した内容はどこにも送信されず、すべてブラウザの中だけで計算しています。
年ごとの資産推移を表で見る
※ 年利は年利÷12の月複利、積立は毎月末に投入する前提で計算しています。必要資産は「毎月の生活費×12×25倍」(4%ルール)です。 税・インフレ・手数料は考慮していません。新NISAの範囲内なら運用益が非課税のため実際はこの計算に近づきます。 想定年利は将来を保証するものではなく、元本割れの可能性があります。
何を計算しているのか
「なんとなくの数字」を出しても意味がないので、中身をすべて公開します。
① 必要資産額 = 年間生活費 × 25
いわゆる4%ルールです。「資産を年4%ずつ取り崩すなら、資産は長期間持ちやすい」という米国のトリニティ・スタディという研究がもとになっています。年4%で取り崩すということは、逆算すると必要な資産は年間支出の25倍です。
- 生活費 月20万円 → 年240万円 → 必要資産 6,000万円
- 生活費 月15万円 → 年180万円 → 必要資産 4,500万円
- 生活費 月25万円 → 年300万円 → 必要資産 7,500万円
ここで大事なのは、ゴールの高さを決めるのは収入ではなく生活費だということです。だから計算機で生活費を1万円下げてみると、達成年齢が思ったより大きく動きます。
② 資産の増え方 = 年利÷12の月複利・毎月末に積立
いまの資産に想定利回りがかかり、そこに毎月の積立が積み上がっていきます。式にするとこうです。
翌月の資産 = 今月の資産 ×(1 + 年利 ÷ 12)+ 毎月の積立
これを目標額に届くまで繰り返して、届いた時点の月数を12で割ったのが「達成までの年数」です。当ブログのFIRE計算室シリーズの記事も、すべてこの同じ式で計算しています。記事の数字とこの計算機の数字は一致します。
③ 「あと一歩の効き方」
結果の下に出るのは、同じ条件から1つだけ変えたら何年早まるかです。
- 積立を月1万円増やしたら
- 積立を月3万円増やしたら
- 生活費を月2万円下げたら
生活費を下げる欄が効くのは、ゴールが25倍で効いてくるからです。月2万円の削減は年24万円ですが、必要資産は600万円下がります。積立を増やすより効率がいい場面が多いのはこのためです。
結果の読み方
「60年以内に届かず」と出たとき
積立額に対してゴールが高すぎる状態です。責めているわけではなく、単にこの条件では完全リタイア型のFIREが現実的でないというだけの結果です。打ち手は3つあります。
- 生活費を下げる(ゴールそのものが下がるので一番効く)
- 積立を増やす(固定費の削減分をそのまま回すのが現実的)
- サイドFIREに切り替える(生活費の半分を労働でまかなうなら、必要資産も半分で済みます)
3つ目は計算機でも試せます。生活費の欄に「実際の生活費の半分」を入れてみてください。それがサイドFIREの必要資産です。
「うち運用益」の伸び方を見る
表を開くと、資産の内訳が「元本」と「運用益」に分かれています。最初の数年は運用益がほとんど伸びません。元本が積み上がってから運用益が加速するので、序盤に「増えない」と感じて積立をやめると、一番おいしい部分を捨てることになります。
グラフの線が後半で反り上がるのがその形です。
想定年利は何%にすべきか
初期値は6%にしています。米国株インデックスの長期平均を参考にした値ですが、これは保証された数字ではありません。
- 控えめに見たいとき:3〜4%で計算してみてください。それでも届くなら計画はかなり堅いです
- 6%:全世界株式・米国株式のインデックスで長期に見た場合によく使われる想定
- 8%以上:過去の好調な期間を切り取った数字です。計画の前提にするのは危険です
おすすめの使い方は、6%と3%の両方で回してみて、その差を自分のブレ幅として持っておくことです。相場は選べないので、「悪いほうでも耐えられる計画か」を先に確認しておくほうが、続けやすくなります。
- 税金・社会保険料・インフレ・信託報酬などのコストは考慮していません。新NISAの枠内なら運用益は非課税なので、実際の結果はこの計算に近づきます
- 利回りを毎年一定として計算しています。実際の相場は上下に大きく振れ、元本割れの可能性があります
- 4%ルールは米国の過去データに基づく目安で、日本の税制・為替・取り崩し開始時期によっては同じようにいかない可能性があります
- 本ページは特定の金融商品の購入を勧めるものではありません(免責事項)
次にやること
計算機で自分の数字が出たら、次はその数字を実際に動かす作業です。
- 積立を増やす原資を作る → 固定費を下げる順番
- 通信費から手をつける → 格安SIM 6社徹底比較
- 先取り貯蓄と生活防衛資金を先に固める → 貯まる家計のつくり方
- 口座を開いて積立を設定する → FIREの始め方 完全ロードマップ
年齢・積立額別のモデルケースをまとめて見たい方はFIRE達成年齢の早見表へどうぞ。