この記事は、YouTube「FIRE計算室 EP.005(FIRE対決)」の計算データ完全版です。動画では流れで見せた数字を、ここでは検証できる形ですべて載せています。

対決カード

項目 コツコツ25歳 本気の35歳
年齢・職業 25歳・会社員 35歳・会社員
手取り月収 20万円 32万円
生活費 15万円/月 20万円/月
毎月の積立 3万円 10万円
現在の貯金 50万円 400万円
必要資産(4%ルール) 4,500万円 6,000万円
想定年利 6% 同左

結果

シナリオ 必要資産 毎月の積立 所要年数 達成年齢
コツコツ25歳 4,500万円 月3万円 34.5年 60歳
本気の35歳 6,000万円 月10万円 20.2年 55歳
コツコツ25歳が積立を3万増やしたら 4,500万円 月6万円 25.4年 50歳

先にFIREに到達するのは「本気の35歳」(差は14.3年)。ただし「コツコツ25歳が積立を3万増やしたら」のシナリオでは、達成年齢は50歳になります。

必要資産は「年間生活費 ÷ 4%」(いわゆる4%ルール)で計算しています。生活費が違えばゴールの高さも違う、というのがこの対決の面白いところです。

年ごとの資産推移(完全版)

25歳から積み立てた場合の資産推移グラフ

経過 コツコツ25歳 本気の35歳
0年後 50万円 400万円
1年後 90万円 548万円
2年後 133万円 705万円
3年後 178万円 872万円
4年後 226万円 1,049万円
5年後 277万円 1,237万円
6年後 331万円 1,437万円
7年後 388万円 1,649万円
8年後 449万円 1,874万円
9年後 514万円 2,113万円
10年後 583万円 2,367万円
11年後 656万円 2,636万円
12年後 733万円 2,922万円
13年後 815万円 3,225万円
14年後 902万円 3,548万円
15年後 995万円 3,890万円
16年後 1,094万円 4,253万円
17年後 1,198万円 4,639万円
18年後 1,309万円 5,048万円
19年後 1,427万円 5,483万円
20年後 1,552万円 5,944万円
21年後 1,684万円 6,434万円
22年後 1,825万円 6,955万円
23年後 1,975万円 7,507万円
24年後 2,134万円 8,093万円
25年後 2,302万円 8,716万円
26年後 2,481万円 9,377万円
27年後 2,671万円 10,079万円
28年後 2,873万円 10,824万円
29年後 3,087万円 11,614万円
30年後 3,315万円 12,454万円
31年後 3,556万円 13,346万円
32年後 3,812万円 14,292万円
33年後 4,085万円 15,297万円
34年後 4,374万円 16,364万円
35年後 4,680万円 17,497万円

表から読み取れること:勝敗を分けたのは「若さ」ではない

先に着いたのは35歳のほうでした。ただ、これを「早く始めても意味がない」と読むのは間違いです。数字を分解すると、別のものが見えてきます。

到達時点で、それぞれいくら自分で入れたか

コツコツ25歳 本気の35歳
到達までの年数 34.5年 20.2年
自分で入れた総額 1,292万円 2,824万円
到達時の資産 4,500万円 6,000万円
運用益 3,208万円 3,176万円
資産に占める運用益の割合 71% 53%

(入金額=スタート時の貯金+毎月の積立×到達までの月数)

注目してほしいのは運用益の行です。25歳は3,208万円、35歳は3,176万円。ほぼ同額の運用益を得ています。

違うのは、そのために自分で入れたお金です。25歳は1,292万円、35歳は2,824万円。同じ運用益を、半分以下の入金で手に入れているということになります。

これが「早く始めることの価値」の正体です。早さは到達年齢を早めるのではなく、同じ結果を出すのに必要な入金額を下げます。

では、なぜ25歳は負けたのか

負けた理由は年齢ではなく、入金額の差3.3倍(月3万円 vs 月10万円)と、ゴールの高さです。

25歳のゴールは4,500万円で、35歳の6,000万円より1,500万円も低い。それでも届くのが遅れたのは、月3万円という入金力では複利が効き始める前の助走が長すぎるからです。

実際、記事の冒頭の表にあるとおり、25歳が積立を月6万円に増やすだけで達成は50歳になります。35歳より5年早い。年齢の優位は、入金力を揃えた瞬間に一気に戻ってきます。

この対決の結論
  • 年齢の優位は「入金額を減らせる」という形で現れる。到達年齢そのものではない
  • 入金額が3倍違えば、10年の先行スタートは打ち消される
  • 逆に言えば、若い人が入金力を上げたときの伸びしろが一番大きい
  • どちらの側でも、動かせるのは「毎月いくら入れるか」と「いくらで暮らすか」の2つだけ

前提と注意点

  • 年利6%は米国株インデックスの長期平均を参考にした想定値です。将来を保証するものではありません
  • 税金(運用益への課税)・インフレは簡略化しています。新NISAの範囲内なら運用益非課税のため、実際はこの計算に近づきます
  • 4%ルールは米国の研究(Trinity Study)に基づく目安で、日本での適用には議論があります

自分の数字で計算する

この対決は「25歳・月3万円」と「35歳・月10万円」という2つの設定にすぎません。自分の年齢と積立額を入れて同じ計算をするなら、こちらをどうぞ。上の推移表とまったく同じ式(年利÷12の月複利)で動いています。

🧮 FIRE計算機で自分の達成年齢を出す達成年齢・資産推移グラフ・積立を増やした場合の短縮年数まで出ます

「自分より若い人に勝てるのか」を知りたいなら、2回計算して比べてみてください。この記事と同じ結論——先に始めた人が有利とは限らない——が、自分の数字でも成り立つかどうかが分かります。

ただし35歳が月17万円入れられたのは、収入が伸びる年代だったからでもあります。自分の年収があと何年・いくら伸びるのかは、賃金構造基本統計調査から計算した賃金カーブから見る稼げる残り年数で確認できます。入金力の上限が見えると、この対決のどちら側に自分がいるかが分かります。


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